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青葉心理クリニック

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認知モード理論 その5
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    認知モード理論 その5

     

    Top Brain system 、Bottom Brain system の両者を、それぞれよく使う人、あまり使わない人がいるので、組合せとしては、2X2=4通りとなる。その4つが認知モードの4つとなる。

    Top Brain を T、Bottom Brainを Bと表し、よく使うは(+)、あまり使わないは(−)とすると、

     

    1)T(+)かつ B( +)を主体者モードという。

    このモードで考える時、Tを使って計画して実行すると同時にBを使ってその結果を認識し、その後、フィードバックに基いて計画を調整する。このモードの人は自ら計画し、行動し、自分の行為の結果を目にできる立場にいる時が最も快適である。

     

    2)T(−)かつ B(+)を知覚者モードという。

    自分が知覚しているものを、Bを使って深く理解しようとする。自分が経験していることを解釈し、それをその時の状況に当てはめ、その意味合いをつかもうとする。だが詳細な計画をたてたり、それに着手することは苦手である。余談だが、木村敏先生の記載によると、有名な哲学者であり、精神病理医であったカール・ヤスパースはこのモードであったと思われる。

     

    3)T(+)かつ B(−)を刺激者モードという。

    創造的、独創的になれるが、物事の限度がわからなくなり、他人に迷惑をかけたり、自分の行動を適切に調整できなかったりする。Bによるフィードバックがかからないからである。

     

    4)T(−)かつ B(−)を順応者モードという。

    夢中になって計画の実行に取り掛かる事もなければ、自分の経験するものの分類や解釈に専心する事もない。その代わり、目の前の事象や差し迫った課題に熱中できることが期待される。行動指向性があり、進行中の状況への反応性が高い。

     

     

    実際にカウンセリングをなさっている方は、現在うまくカウンセリングが進行していない方の顔と上記の認知モードの一つが頭をかすめたのではないだろうか? その瞬間にこの認知モード理論はあなたの自家籠中のものとなるのである。現場を持っていれば、コスリンの本に限らず、ダマシオであろうが、コッホであろうが、脳科学のきちんとした本は難解ということはない。マルクスが資本論を書いた時は、当時一番資本主義が発達していたロンドンで、毎日労働者を見ていたというが、複雑極まる脳を取り扱う時には、書斎にこもって自分の脳だけを相手にしてもろくなことにはならない。診察室で、いろんな脳を観察することである。

     

     

    人により、どのモードが優位かが違い、それが性格のはっきりした特徴となるので、各自のアイデンティティにとって、認知モードは態度や信念や情動気質と並ぶ特徴であり、重要である。

    このモードを知ることで、脳が思考や感情や行動にどう作用し、ひいては学校、職場やもっと親密な状況での他人との関係にどんな影響を与えているかの理解の手助けになる。

     

    これで、認知モード理論の概説を終える。実際のカウンセリングの現場での使用には、この4つの分類をそのままで用いると、TとBによる二分法になってしまうので、それはコスリンの望むところではないので、実際の利用に際しては、よく考えられた細かいチューニングがなされていて、二分法ではなく、システムとして考えるということが徹底されている。認知モード理論のこういう考え方は、以前に人格障害に対するミロンの考え方を紹介した時にも考察しているが、現場では、なるべく単純なシステムこそが実用的であり、誤りも少ないものである。老婆心ながら、コスリンの作った診断リストは、日本人に使うには文化的背景が違うので、少し文章表現を変えなくてはならないと思う。

     

    こういう単純な考え方を現在私は脳というか、人間の理解に関して5つ持っている。それがコスリンの言い方を借りれば、二分法にならないように、システムとして考えられるように常に気をつけている。それと、考え方の限界、たとえば、コスリンはこの認知モード理論に対して、脳をどのレベルで捉えた理論なのか、情動のシステム(これは皮質下のものが大きい)はこの理論にははいっていないこと、つまり、あくまで大脳皮質の理論なのだということ、そして選択の余地がある時に働くモードなのだということをきちんと述べているのだが、それが理論を用いる場合に忘れてはならないことである。

    この認知モード理論による4つの方の分類に関して、本の中でコスリンが触れながら、実際に診断テストには採用されていない「心的イメージ」を用いることで、もっと簡易に直感的にできる方法があると思うが、心的イメージに関して誤解がないように述べるのは大変なので、次の機会にしたいと思う。

    | 1.サイコセラピー | 11:29 | - | - | - | - |